最近とてもほっこりする小説を読みました。
我が家の問題 ※2014年8月上旬入荷予定 (集英社文庫) [ 奥田英朗 ]
奥田英朗さんの作品は「空中ブランコ」や「ナオミとカナコ」等読みやすくて面白い作品が多いのでよく読むのですが、この作品もすごく良かったです。
タイトル通りそれぞれの家族が持つ悩みや問題がテーマになっています。
周りからみたら、よくある様な話でも本人たちにしてみると悩ましい問題ってありますよね。
そんなありがちな問題を抱える6つの家族の物語で、6話から成る短編集です。
「我が家の問題」
1話「甘い生活?」
妻が完璧すぎて新婚にもかかわらず、家に帰りたくない夫
2話「ハズバンド」
優秀だと思っていた夫が、実は会社でお荷物扱いされているかもしれないことを知って悩む妻
3話「絵理のエイプリル」
両親離婚するかもしれないことを知ってしまう女子高生とその弟
4話「夫とUFO」
夫が突然「UFOと交信している」と言い出して困惑する妻
5話「里帰り」
お互いの実家に初めて里帰りする、親戚付き合いが苦手な夫婦
6話「妻とマラソン」
小説家として賞をとって有名になった夫に喜びながらも、心にぽっかりと穴が開いてしまった妻、そしてそれに気づき気遣う夫
どの家族のお話も途中クスっと笑えて、最後にはホロっと泣けるような心がじんわりする作品でした。
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特に2話の「ハズバンド」には心打たれました。
妻は夫を元気づけるために、美味しいお弁当を作ることを決意して、自分にも毎日同じ弁当を作って味をチェックすることにします。
お弁当のコンセプトは「頑張ってる感」を出さず手抜きにも見せず、栄養価があってあくまで自然な愛情がこもった弁当。
作中にいくつかお弁当の内容が出てくるのですが、どれも奇をてらわずバランスの良いお弁当で夫も喜んでいる様子。
そしてこれが夫の会社の人たちからも評判となります。
「普通のセンスがいい」「一番いい普通」と自分が目指していた誉め言葉を貰います。
色々心配事が絶えない妻でしたが、このことをきっかけに今ある幸せに気づいて前向きになっていくというストーリー。
私も毎日お弁当作りをしているのですが、ついつい手抜きになってしまったり、冷凍食品にもよく頼ってしまっていたな~とちょっと反省してしまいました。
明日からは頑張りすぎない、「普通だけど一番いい普通」のお弁当を目指して頑張りたいと思わせてくれた作品でした。
明日から気持ちを入れ替えてがんばってみます(*^^*)!
そして、どうやらこの作品はシリーズ化されているようで
「家日和」「我が家の問題」「我が家のヒミツ」の三部作だったようです。
どれも短編なのであまり関係ないかもしれませんが興味のある方は「家日和」から読んでるのが良いかもしれません。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!